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勤労感謝の日 (新嘗祭)  

その年の五穀の収穫を感謝し、天地の神々に供える新嘗祭になって、初めて
新米を食するそうです。しかし10月、道外の御方がちょうど両親の月命日の
間際に新米をお贈りくださり、さっそく炊いてしまいました。
お志のこもった白く輝くご飯に梅漬けをのせ、海のような深い青さを思いながら、
ありがたくいただきました。ひと粒、ひと粒に力のある、清心の味わいでした。

  秋津島 みちを思いし民の義に篤き心根(こころね) 雄々しく広き

元々は11月21日、母の祥月命日に、と思っていた品です。今年は20日の
日曜日、菩提寺のお坊さんにいらしていただきました。通常の仏具にご飯を盛り、
おりく膳の代わりに松花堂お弁当をつくってお供えしました。22日は父の命日、
そして本日と、何とか無事に過ごしていることに改めて感謝いたします。

新嘗祭にふさわしい画像を考えておりましたが、デジカメのバッテリーが故障した
ようで残念です。ここ数年、野菜は沢山、たんぱく質は魚介類と豆類でとり、お肉は
殆ど買わないけれど、お刺身類が好物で、やはり足るを知る境地には遠いようです。

いま家の中を整理していて、モノはある程度始末できるけれど、食べることへの煩悩は
なかなか失せないと、我ながら赤面するときがあります。

この秋、古書店で 『こころの食卓 精進料理をくらしの中で』 という本を買いました。
著者は、藤井宗哲・藤井まりこ御夫妻。(2000年出版) お料理の写真は大きく
全てカラー、レシピがついています。藤井宗哲氏は数年前に亡くなられたそうですが、
本書の、禅の教えのような随想にとても共感します。

c0087710_2231180.jpg左上: ナスの味噌炒め 、赤ピーマン添え
(親戚からもらった五平餅のたれを使用)
右上: とら豆 (十勝・JA音更)、きゅうり新漬
右下:煮物 (油揚げで巻いた拍子木の大根、
 椎茸、里芋、スナックエンドウ、人参)
ほか、お味噌汁 (エノキ茸、おぼろ昆布、青菜)

間に合わせで恥ずかしいメニューです。

11/25 短歌の結び、「広む」 を 「広き」 に変更、本文も一部修正>
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by lumiere6 | 2011-11-23 22:31 | la vie

かの広き海 ...

10月に一度も更新していなかったことに最近気づきました。ひたすら 家の中を点検し、
家具等の配置換えに追われていました。亡き母がさまざまな事態に備えて用意していた
寝具類、洋裁のための布地の数々、身の回りから家の雑貨品ほか、きちんと収納されて
います。開けてしまうと元通りにするのが難しい、玉手箱のような几帳面さです。

少しずつ整理し、空間が増えてくると気持ちも安らいできます。質素ですけれど居心地の
よい住まいにしようと、予算ほとんどゼロで改善を図っているところです。

この春からある所で英語購読を受講しています。テキストは主に英米の論説記事です。
夏に学んだ  "The Future of U.S. Leadership in Asia Pacific Region,"
by Barack Obama (Suntory Hall, November 14, 2009)
 の、下に引用する
一節は、海(海洋)というものが、双方あるいは複数を結び付けている存在であることを
教えてくれました。これまで海は、別れや隔たりを象徴するかのようでした。

... The United States of America may have started as a series of
ports and cities along the Atlantic Ocean, but for generations we
have also been a nation of the Pacific. Asia and the United States
are not separated by this great ocean; we are bound by it. ...


日本の古い物語では、安寿と厨子王の漕ぎ別れ行く舟、島流しにあった俊寛の嘆きを
思い出します。まだ翻訳文学に夢中だった頃、何かの小説に 『ベレニス』 の科白が
引用され、その訳文にとても惹かれました。当時の読書メモには出典を書いておらず、
今回見つけた朝吹三吉訳と僅かに違っています。「ひと月、」 としており、漢字表記も
「我等」 「いかに」 「あい逢はずして」 など。私が変えてメモしたのか思い出せません。
その後、原文を知りたくて、フランスに旅行したとき 『Bérénice』 を買ってきました。

ひと月の後、ひと年の後、われら如何に 悩み苦しまん。 君よ、かの広き海、
君とわれを分けへだてつつ ティトゥス、べレ二スと相会わずして 日々は明け、
日々は暮れなん ...          (ラシーヌ 『べレ二ス』 朝吹三吉訳)

Dans un mois, dans un an, comment souffrirons-nous,
Seigneur, que tant de mers me séparent de vous ?
Que le jour recommence et que le jour finisse.
Sans que jamais Titus puisse voir Bérénice,
Sans que de tout le jour je puisse voir Titus ?    
        " Bérénice "  P114  Racine,  Classiques Larousse


話し変わりますが、9月11日(日) 14時30分~16時30分、在札幌米国総領事館で
「追悼式典並びに語る会」 に出席いたしました。 服装はビジネスカジュアル、事前に
連絡の上、記入した出席確認票と写真付の身分証明書を携行するという要件でした。
入り口でも空港のようなチェックを受けました。後半の語る会ではメモが可能でしたが、
終了直前まで拝聴しただけですから、思い出せることを少しだけ書きます。

式典は、総領事館内のお庭で行われました。オバマ米大統領のメッセージ (抄訳)
「不可欠なパートナーシップ」 が配布され、ジョン・リース総領事が代読なさいました。
The Partnerships We Need   By President Barack Obama

(式次第の順が違っていたら恐縮です) ジョン・C・テイラー広報文化交流担当領事が
米国旗を半旗にするため、9.11当時任官していた空軍の制服で登場しました。
そのお姿はとても威厳に満ちて、国旗への誇りがにじみ出ていたことが非常に印象的
でした。テイラー氏はジョン・ルース米大使のメッセージを日本語で読み上げ、東日本
大震災が発生した時刻に合わせ、一同、1分間の黙とうをしました。

続いて屋内で、総領事、テイラー氏、札幌アメリカンセンターの牛丸由恵氏が、9.11
当時の体験、更に3.11の在札総領事館挙げての奮闘について語りました。牛丸氏は
ニューヨークに留学中で、犠牲者の家族らの通訳をなさったそうです。以下は終り頃の
談話ですが、走り書きが繋がらない部分を除いており、一連の発言ではありません。

リース総領事:全国の領事館の警備も厳しくなった。...どこでも敵に攻撃される可能性
がある。残念なことに、軍隊の基地でなく地元の人との関係を維持するため、お客様を
迎えるため(の施設なのに)。米国人でも違和感がある。 ...

誰が、どういう敵が世界にいるか。どういう手段を使って我々の弱点をめざしているか。
それと同時に個人の自由と生活を維持しなければならない。できるだけその対策をとり
ながら、皆様のすばらしい社会、?を維持してください。

テイラー氏 : ここに来る前インドネシアに赴任していた。2005年、大津波に一番ひどく
やられた。...日本では優れたwarning system がある。国民は津波が起こったら
何をすればよいか知っている。日本はどうすればよいかちゃんとしている。他の国だったら
もっと大変だったと思う。 

お二人とも日本語でお話なさり、この後ピザやクッキー、飲み物で自由な懇談の時間が
設けられました。警備の厳重さは止むを得ず、式典の様子に米国への敬意が増しました。

※ ベレニスについて拙文を修整、原書出典を追記(11/21) 
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by lumiere6 | 2011-11-20 15:58 | la vie