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あはれとぞ ..

昨年12月下旬、ある大学の図書館に 『がんを生きる (佐々木常雄/著) 』 が新着して
いました。いまも気持ちにしっくりしないタイトルに読むのを迷いましたが、先入観が消え、
非常に感銘を受けました。 佐々木常雄氏は都立駒込病院の院長でいらっしゃいます。

数頁コピーしました。 16-17頁 この数年間で倫理的思想が大きく転換、「患者さんの
心は大丈夫なのでしょうか?」 と問いかけ、思いやっています。

84-85頁 「若い患者さんにとっての緩和ケア」 という見出しで、本文の一部、段落の
途中の文です。 緩和医療の目的が 「いかにして死を受容させるか」 にあるとするが
ごとき考えには納得できないのです。
続いて抜粋させて頂いた一文は削除しました。
佐々木先生は、子を思う親の心、先立たれた悲しみ、無念さを代弁なさるかのように、
真摯な思いを訴えていらっしゃいます。ああ親というものはこうであるのだと、いまさらに
親の恩が偲ばれます。 昨日取り出した文だけでは、切々とよせる共感性、医療への
ご見識の流れが伝わり難いと考えました。

102-103頁 カイ原先生のご講演のご紹介 (フルネーム後日 ※)
医師と看護師は重要、患者さんは重要と思っていない、またはその逆の事柄について 
114-115頁 佐々木先生の患者さんのご遺族 (奥様、川平恵子さん) のお手紙が
紹介されています。 深い情愛、包容力と優しい強さ、心打たれるお言葉です。

《私が医療に期待するのは、生命に対する深遠な哲学ではありません。
もののあわれを感じとる心を持ってほしい。
それは日本人なら誰しも持てるものだからです。
過ぎ行くものを惜しむ心
弱さと未練を肯定する
今、ここにある命を美と認める心が欲しい
もし、打つ手がなくなったとき、この世に残る人も

...  》  原文はあと4行続きますのに失礼ですが、どうぞ結びまで推し量り、
そしてぜひ書籍をお読みいただければ、と思いました。

186-187頁  三ヶ月や一ヶ月といわれて、そのときは悲嘆に暮れるかもしれませんが、
その後、かえって 生きる力が甦ってくる人も中にはいるのです。


母を失ってから、しおれる花を簡単に捨てがたくなりました。 終わりを見届けたい、
全うさせたい、そんな風に枯れた葉や茎を手入れし、小さな蕾まで咲かせる。
力つきたと思えたとき、ありがとうと処分する。 あるいは土に返す。
この書物を読み、昨年の今ごろのもやもやした気持ちがかなり解き明かされました。
 刷り込み 1 (09/04/11)、  刷り込み 2 (09/04/12)

※ 2010.4.20の 「いま 生きている人」 の追記を分けたものです。
お名前のカイの漢字のこと、未了でした。遠からず
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by lumiere6 | 2010-04-25 18:08 | 囁き

いま 生きている人 

土曜日ある大学にいて、偶然、ある臨床研究会が開催されていることを知りました。
受付では、100名を超える参加者に資料を追加作成中との事。 居合わせた方が
ご親切にチラシを下さいました。 しかし、やはりテーマになじめず、迷っていますと
2人の女性が申込まれ、いかにも清明な善意の衣をまとっているように見えました。

例えばつらい症状に苦しみ治癒を望めない患者さんに対して、「死を意識させずに
今という時を生きることを支える」
そのような心のケアはあるのでしょうか。
私はまだ、病というものの真の恐ろしさに直面していないので、冒頭の臨床研究の
テーマに距離感をいだいてしまうのでしょう。 ある言葉の組み合せ検索から見つけた
次の投稿に少しホッとしました。 「いずれ亡くなる人」 ではなく、「今生きている人」 を
看ている。過去を生きてきた人を看ている。
[看護師悩み相談掲示板] より

変更 : 女性が入室され → 申込まれ (遅れてご参加の方々です。私は去りました)
 緩和ケアに何となく → 臨床研究によっては → 冒頭の臨床研究のテーマに


   この世には わすれぬ春の面影よ
         おぼろ月夜の 花のひかりに    式子内親王
  

※ 記事を2010.4.25、 「あはれとぞ...」 に分けました。
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by lumiere6 | 2010-04-20 19:22 | 囁き

東北大学の刊行物 (医学) のご紹介 ほか

この3月、同大学大学院医学研究科の大隈典子教授がお送り下さった刊行物2冊を
ご紹介します。とりわけ興味深い記事がWebに抜粋されており、閲覧可能です。

ニューロン新生の分子基盤と精神機能への影響の解明   CREST 「脳と学習」領域
大隈プロジェクト > ニュースレター 『Brain and Mind Summary Book』 
2010年3月発行 → http://www.brain-mind.jp/newsletter.html
抜粋記事 : 「合冊記念対談 社会の中の脳科学  定藤規弘 × 大隅典子」

定藤規弘氏は、岡崎市にある自然科学研究機構 生理学研究所 大脳皮質機能研究系
心理生理学研究部門の教授です。 対談記事の中で、”神経倫理の問題” の結論として
「倫理リテラシーが重要ではなかろうか」 と仰り、3要件と3重要点が提示されています。
さらに入れ子、あるいは系統樹のように、要件の1つに重要な要件が3つ挙げられていく
など、図解して理解を深めたい部分です。 ”科学者の役割は?” は、メディアとの関係、
逆に、メディアが科学(者) と社会の両方に対してどうあるべきか、考えさせられます。
拙メモ  『Brain and Mind』 第5号 07/04/04

東北大学大学院医学系研究科・医学部 Annual Review 2010
冊子体18頁、「第47回 日本癌治療学会 最優秀演題賞 受賞」 がん患者、一般市民、
医師、看護師の 「望ましい死」 のあり方に関する認識
: 緩和ケア看護学分野 宮下光令教授

東京大学医学部附属病院放射線科外来受診中のがん患者さん、同病院でがん医療に
携わる医師、看護師、東京都の一般市民を対象に、 上記サブタイトルの認識に関して
研究、自記式質問調査を行ったそうです。 「望ましい死」 の構成要素のうち、重要との
回答が大幅に異なるのは、「最期まで病気と闘う事」 がん患者さん 81%、市民 66%
医師 19%、 看護師 30% そして 「残された時間を知る事」 は順に 69%、78%
89%、85% とあり、宮下教授のご見解が綴られています。

見開き右頁は、「2009年度 優秀学生顕彰大賞 受賞」 医学科6年 長沼透さんの
受賞ご挨拶と今後の抱負です。長沼さんは疫学研究、予防医学をこころざし、1年間
ワシントン大学公衆衛生大学院に留学されました。 5年、10年、20年後、公開タイム
カプセルのような、楽しい期待感が湧きます。 頑張って下さい。

トップ > 出版物ダウンロードページ (完全版PDF 10.6M)
http://www.med.tohoku.ac.jp/download/index.html
http://www.med.tohoku.ac.jp/download/doc/annual2010j.pdf

拙メモ   『同上  Annual Review 2009』  09/04/02
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by lumiere6 | 2010-04-16 20:05 | 上記外 環境・科学

3月のシンポジウムより  追記少々

3/24 (水)、北大医学研究科の連携研究センターのシンポジウムを拝聴。5部門から
7人の先生が発表なさいました。要旨付のプログラムと同センター 「フラテ 概要 2008」、
「北海道大学 先端光イメージング研究拠点 2009年度版」 を頂きました。

3番目の演題から参加して、素人の私は、眼と耳を集中させるだけで精一杯ですが、
「Micro PET を用いた分子標的治療効果判定」、「高機能高分子ゲルを用いた軟骨
自然再生誘導法の開発と臨床応用へ向けた研究」*、「成体期におけるシナプス回路の
維持機構」**、「高精度動体追跡放射線治療装置の開発」 *** など今後も注目して
いたいご研究です。

* 実際の医療への課題 (安全性、2種のゲル材料、コンポーネントの組織への影響)
** お名前が挙げられた御三方、後日HPを拝見したいです。
東京大学大学院医学系研究科分子神経生物学教室  三品昌美教授
慶應義塾大学医学部生理学教室 神経生理学  柚崎通介教授
新潟大学脳研究所  崎村建司 教授

*** プログラム要旨の【結論】によると、 「腫瘍位置の測定精度が向上し、患部に
対してより正確な治療ビームの照射が可能となったことから、従来放射線治療の
対象とならなかった早期に発見されるレベルの患部も治療できることが期待される」

そうです。現在、高額医療費は海外メガファーマの高額な薬剤が主因らしく、このような
国内の研究の進展が願われます。 そして勤務医の技能や過重労働が、きちんと評価に
反映されているだろうか ..と感じます。 (4/11 内容を分離、加筆修正) 

c0087710_20115922.jpg写真は、弟特製の 「ぷち焼ドーナツ」
3種類あり、卵やバター、キビ砂糖、
ベーキングパウダーは共通
 ・お豆腐と道産薄力粉、コーンスターチ
 ・甘栗、米粉、道産薄力粉
 ・小豆、米粉、道産薄力粉
甘さは、ほんのり、もちもち美味でした。
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by lumiere6 | 2010-04-11 19:39 | 北大 セミナー他

3月のシンポジウムより 

自立した専門医を育むオール北海道プラス1  
第2回 シンポジウム 「専門研修こそ大学で」 3/12(金)17:30~19:30
於 : かでる2・7(北海道立市民活動センター)、 主催 : 北海道大学病院ほか

※資料は、講師の先生方のパワーポイント (カラー出力) 綴りと平成22年度版の
「4大学連携及び教育病院共有化による地域大学循環型専門研修プログラム」 冊子ほか
昨年の拙メモ : 第1回「北海道の医師専門研修システムは十分か?」 (09/03/13)

→ その1、  その2

基調講演 近藤 哲 教授 (北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科学分野)
専門研修こそ大学で! 指導医確保についての北大病院のこころみ
遅れて着いたとき外科医の激務のお話をなさっていました。以下要旨ではなく断片

・(大学は) 直接関与ではなく間接的に貢献できる、担える臨床医を養成
・旧制度は狭い守備範囲、余裕が無かった。医学部の特性-在学中に医師免許がなく
 実習できない、限界がある。だから卒業後の面倒を見ることが必要になる。
・まず目の前の生きた患者さんをみること。 関連領域のローテート研修必要
・新医師導入制度の利点。応用力のある専門医の養成。 色々な手法を身につけ、
 更に専門性が高まる。10年かかるが1人前の専門医を育てたい。

・こうした形で段階的な道筋をきちんとアレンジできるのは大学であるが、大学だけでは
 無理。地域センター病院重点化構想、教育病院として助けてもらう
 大事なことは地域の病院に、指導的、専門的な医師がいること、ネットワーク
・大学院臨床医学コースで学位を取る。臨床専門医と両方できるので今は人気ある
 自分で Prospecitve 考えつつ、患者さんのために答えを考えつつ .. きちんと
 コーディネートできるのは大学。最近は札幌志向で教育病院の指導医が地方にいなくなる

・地域の病院に行ってもらえる人に支援、教育法を学ぶ、お給料は地方病院 (から)
・中核病院の重点化、地域医療再生基金、今年度から厚労省の補正予算でた
・3年任期→5年任期、4,5年目は大学に戻って助教で活躍、8名の定員充足
 北海道3大学のうち、北海道大学のみ実施、いかにして教育的指導者を作るか
外科医として病理学の勉強も重要と、ご自身を例にお話され、印象的でした。

報告 百石雅哉 特任助教 (札幌医科大学付属病院臨床研修センター) 「専門研修医数
調査・初期研修医向けアンケート調査・教育関連病院向けアンケート調査の結果および分析」
資料画像18枚目* 内容の詳細を知りたかったです (選択の大きな要因など)
3大学所属研修医アンケート解析結果 (3大学所属初期研修医対象、H215月調査)
回収状況は、3大学合計 111、 北大 58、 札医大 29、 旭川医大 24
*設問 「自立した専門医を育むオール北海道プラス1」では、所属する大学病院以外の
道内3大学病院および東京慈恵会医大病院で高度専門研修を受けられるように支援
しているが、どこで研修をしたいと思うか?   3D円グラフに示された結果は、
北大 54%、 札医大 8%、 旭川医大と慈恵会は各3%  「研修したいと思わない」 や
「わからない」 が2桁の%。  ところで回収総数 111 に占める各大学の回答割合を
計算してみました。 北大 52%、 札医大 26%、 旭川医大 22% です。

余談ですが、私は業務で (医学分野ではなく)、アンケート内容の起案や結果の
グラフ化、調査・報告書づくりに就いたことがあり、つい深読みしたくなります。4/4


講演 濱田久之准教授 (長崎大学病院 医師育成キャリア支援室室長)
大学病院での研修を促進するには 豊富な資料をいただきました。メモせず
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by lumiere6 | 2010-04-03 19:09 | 北大 セミナー他