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カテゴリ:文学、芸術 …( 32 )

春の気配に ..     リルケ詩集より

  午後の光が明るさをまして、雪が居場所を失う. 
  見おくるやわらかな風.  たちのぼる ぬれた土の呼吸. 
  自然界の優しい色の贈りもの、春の訪れ    - m -

『リルケの言葉』
   Rainer Maria Rilke (原著)
これが私の戦いです。      あこがれに身を捧げ
日々をさまよい続けます。    それから強くなり広くなり
底知れぬ根を           生の中深くおろすのです ―
そうして悩みを通して      生から外へ遥かに成熟するのです。
時間から外へ遥かに             (第一詩集  ※二段に変更

日ざしになじんだ道のほとり、
うつろになった木の株が
久しく水槽のようになって、静かな水を絶えず
あらたに湛えながらそっと澄んでいる。 私はそこで
私の渇きをしずめた。 憂いのない水の、生まれながらのきよらかさは
私の手くびから沁みるように私の身うちに伝わってくる。
飲むことは私にはあまりにあらわな、行きすぎたことに思える。
だがこの、いわば待つだけの手つきが
澄み透った水を私の意識に沁みわたらせる     (後期詩集 部分)

この世にあることの使命
なぜ人間として生きねばならぬ? ―― そして運命を避けつつ
運命にあこがれるのは? ・・・・・・ ああ幸福が在るからではない、
まもない喪失の、早まった先触れである幸福。
好奇心からでもなく、心の熟達のためでもない、
・・・・・・ そうではなく、この世の存在が大したことだからなのだ、またどうやら
この世のあらゆるもの、この消えて行くもの、
私たちとふしぎなかかわりを持つものが、私たちを必要とするからなのだ、
消えて行くものの中でももっともはかない私たちを。一度ぎりなのだ、
すべてのものはただ一度ぎりなのだ。一度ぎり、そしてふたたびはない。
そして私たちもまた一度ぎり。ふたたびはない。だが
この一度ぎり存在したということ、ただ一度ぎりであるにしても、
この地上のものとして存在したということ、それは打消すすべがあろうか
                            (ドゥイノの悲歌)

高安国世 (翻訳・編)   弥生書房  1997年 
by lumiere6 | 2008-03-17 23:14 | 文学、芸術 …

「古き建物とフォトスケッチの楽しみ」  in 北大

久々に晴れた今日、札幌市写真ライブラリーのWSに参加。北海道大学構内の
歴史的な建物が被写体でした。今年もフォトスケッチ展が開催されます。
講師 : 一般撮影  KEN 五島氏 (Photo Office KK主宰、 JPS会員
     ピンホール〃 浅野久男氏 (エムフォトワークス主宰、ピンホール写真芸術学会会員) 
昨年は、→ こちらに   冬に → 古河記念講堂ほか

 【作品展】  会 期  2007年10月27日(土) ~ 11月18日(日)
         会 場  札幌市写真ライブラリー 常設展示室 
         札幌市中央区北2条東4丁目 札幌ファクトリーレンガ館 3F

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 右上 : 北海道大学農学部本館
      1935年 (S10)
 左下 : 中央ローン


左上、右中 : 北海道大学SGP事務局  サスティナビリティ・ガバナンス・プロジェクト
  (旧札幌農学校図書館読書室  1902年(M35) ※右下と別な入口です
  '持続可能な未来のために' セミナー等も行なわれています。

右下 : 同大 図書刊行会 (旧札幌農学校図書館・書庫)

左中 : 同大 総合博物館 (旧北海道帝国大学理学部) 天井 1929年(S4)
※ 外観も撮りましたが、出来栄えがいまいちでした。壁沿いのイチイ並木は、
  枝先が鋭角に上向きで気持ちよい眺めです。赤い実がついていました。

by lumiere6 | 2007-09-30 23:24 | 文学、芸術 …

しろい薔薇と薄紅色

c0087710_23594831.jpg      まぼろしの薔薇      大手拓次
  Ⅳ
 まつしろいほのほのなかに、
 おまへはうつくしい眼をとぢてわたしをさそふ。
 ゆふぐれのこみちにうかみでるしろばらよ、
 うすやみにうかみでるみどりのおびのしろばらよ、
 おまへはにほやかな眼をとぢて、
 わたしのさびしいむねに花をひらく。

c0087710_002186.jpg   Ⅴ
  なやましくふりつもるこころのおくの薔薇の花よ、
  わたしはかくすけれども、
  よるのふけるにつれてまざまざとうかみでる
           かなしいしろばらの花よ、
  さまざまのおもひをこめたおまへの秘密のかほが、
  みづのなかの月のやうに
  はてしのないながれのなかにうかんでくる。

出典 : 「青空文庫」 Ⅰ~ Ⅷ   http://www.aozora.gr.jp/  

白薔薇を題材に、貴女がくちづけした跡は薄紅に、と詩を書いたことがあります。
一節目は、ふんわりと摘み取られた白い小さな花びら、貴女は幼子のように微笑み
黙ってさしだした。はらはらとこぼれ散る 朝の香気、・・・と続きました。(沈丁花)
選者(詩人)による、職場誌の掲載評は、「少し甘すぎる」 でした。
今は相当気恥ずかしい内容ですが、人に対して純粋だったかな、と思います。
後年、大手拓次の詩に出遭って惹かれました。
 薔薇は筆者撮影 8/21
8/22 朝、記事タイトルを変えました。


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by lumiere6 | 2007-08-22 00:35 | 文学、芸術 …

Une soirée artistique    

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うたたねの はかなき夢の中にだに
   千千の思ひはありけるものを
               藤原良経

Valse de l'opera Faust (F. Liszt)
Modern Times / Spring song
Tambourin (18世紀舞曲)
Walzer, op.39-15 (J. Brahms)
Hush little baby / LIBERTANGO
黒に赤の花一輪

Carmen et Juliette
真紅と純白の花

by lumiere6 | 2007-07-31 01:31 | 文学、芸術 …

伊藤幸子 彫刻展   ~ 土の雫 ~

初めてお会いしたのは、イタリア文化の夕べでした。
作品の女性のおおらかな表情、ゆったりとした雰囲気は、日々の煩いを
解きほぐしてくれるようでした。24日に終わってしまったのですが、少し
ご紹介させて頂きます。

母娘像、「まなざし」 は、今年、千歳市のある施設に設置されたブロンズの
石膏原型です。手を伸ばしてすがる相手のいる安堵感、見つめられ守られる
幼子の後姿に慎ましい幸せが宿っています。
眺める者はあらゆる方向から眼差しを注ぐことができる、彫刻の魅力です。

ポップでユーモラスなようでいて、何かが起きそうな 「カイスイヨク」 連作、
人間が物体に扮していて、時間を止めたかのように...
道路に面したガラス越しに、「還す」 が街行く人の足を止めます。
階段の踊り場が展示スペースをかねて、外からは歩く人の目線と同じです。

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     頬から首、
     肩の優美な線
     潔い背筋
    
     清澄で、
     世俗から遠い
     彼方を想う ..

     「十三月 *」   *タイトル

*エントランスアート STV北2条ビル
http://www.stvkohatu.co.jp/entransart/entoransartm.html
*伊藤幸子 彫刻展 (殆どの写真掲載)
http://www.stvkohatu.co.jp/entransart/itosachiko/itosachikom.html
by lumiere6 | 2007-06-26 00:33 | 文学、芸術 …

垣根のなかは ...

都忘れが咲いています。濃い紫はすっくと伸び、薄い藤色は仲間を増やし、c0087710_15122230.jpg
淡いピンクの細い茎が風に揺れています。

  
  山たかみ つねに嵐のふくさとは
     にほひもあへず  花ぞ散りける -古今集-

  名にし負わば いざ言問はむ都鳥
     吾が思う人はありやなしやと  -業平-

 Introduction et Rondo capriccioso
en la mineur Charles Camille Saint-Saëns

 D.G.Rossetti; Song Ⅸ‘honeysuckle’ ↓

c0087710_21582110.jpg I plucked a honeysuckle where/ The
hedge on high is quick with thorn,
And climbing for the prize, was torn,
And fouled my feet in quag-water;
And by the thorns and by the wind
The blossom that I took was thinn'd
And yet I found it sweet and fair
 サンザシの生垣が
   高く勢いよく茂っているところで 
 わたしはスイカズラを摘みとった
 それを手に入れようとよじのぼり
 切傷は受けるし足は泥水によごれた
 それにとげと風
 わたしの取った花は色香があせた
 それでもわたしには香ぐわしく美しかった
  - D. G. ロセッティ ‘すいかずら’ *
 
c0087710_14521717.jpg  わたしたちの心は風
  この移ろい易い風の心が
  誠実と呼ぶものも、
  繰り返される円舞踏
  今日心が考えているものも、
  明日には影
  過去はもうなにものでもなく、
  未来は雲
  いま手につかんでいながら、
  逃れゆくのを感じる
 
    エチエンヌ・デュラン
    『移り気の女神へのスタンス』
    「ヨーロッパ文学 花の詩史」 
    山中哲夫 大修館書店 P146

  垣根のなかは、瑞々しい植物が
  生命と美を競うところ、萎れた花が風と一緒に眺めている。


*訳 : 村上至孝、星谷剛一 『英語歳時記』 研究社  注:写真は全て筆者
by lumiere6 | 2007-06-16 15:05 | 文学、芸術 …

「水中花 」

          水中花
      今宵水無月の などかくは美しき。
      軒端を見れば息吹のごとく
      萌えいでにける釣りしのぶ。
      忍ぶべき昔はなくて
      何をか吾の嘆きてあらむ。
      六月の夜と昼のあはひに
      万象のこれは自ら光る明るさの時刻。
      遂ひ逢はざりし人の面影
      一茎の花の前に立て。
      堪へがたければわれ空に投げうつ水中花。
      金魚の影もそこに閃きつ
      すべてのものは吾にむかひて
      死ねという、
      わが水無月の などかくはうつくしき。   伊藤静雄 (1906-53)
by lumiere6 | 2007-06-02 08:46 | 文学、芸術 …

いそぎゆく春 ・・・

The sun is bright, -the air is clear,    陽は輝き、大気は青く澄み、
The darting swallows soar and sing,   ツバメは矢のように飛びつつうたい
And from the stately elms I hear      聳え立つニレの木から聞こえるは
The bluebird prophesying Spring.      春を告げるツグミの声。
All things are new;-the buds, the leaves, すべては新しい-つぼみも若葉も、
That gild the elm-tree's nodding crest,  ニレのうなづく梢をこがねに染める。
And even the nest beneath the eaves ;- 軒端の巣さえ今は新しく、
There are no birds in last year's nest !   去年の巣には小鳥はいない。
Maiden that read'st the simple rhyme,   歌をくちずさむ乙女たちよ、
Enjoy the youth, it will not stay ;   若さを味わえ、それはやがて去って行く。
Enjoy the fragrance of the prime,   かぐわしい春の香りを味わえ、
For O, it is not always May !       ああ、春はつかの間の季節ぞ。
  H.W.Longfellow (1807~1882) - ‘ It is Not Always May ’ 
  ロングフェロー  東浦義雄:訳   出典 『英語歳時記』 (研究社)

c0087710_135939.jpg いつの頃からか好きな詩です。 以前、ミニヨンの歌
 「君よ知るや南の国」 と一緒にデザインして、小物を
 作りました。描いた薔薇の葉が退色しています。人も
 ぺイントでリフレッシュできるなら ・・・

 11日は可愛い子どもたちと学びの時間を過ごしました。
 うららかな陽射しをよそに、限られた境遇のなかで
c0087710_165387.jpg 頑張っている。笑顔が愛おしい。
 みんなに幸あれ !
 05/11 北大構内 白樺 12:50
by lumiere6 | 2007-05-12 00:38 | 文学、芸術 …

memo

先月末の風邪がひどくなってきた。セキと熱が同時進行している。夜更かし
できないので、これを機に、朝型に戻ろう。04/01

Avril : " humoresque "  Antonin Dvořák (チェコ 1841~1904)
     " Pavane " Gabriel Fauré 1887 (仏 1845~1924)
     " 燕の島 " 、" 悲しい王様 "   KRYZLER & KOMPANY



Mars : " menuet "  Luigi Boccherini (伊 1743~1805)
 " Bailero "  「Chants D'Auvergne」  M.J.Canteloube (仏) 編
 " Für Elise " Ludwig van Beethoven (独)
 " Barber's adagio - Platoon " 「Adagio for Strings」 S. Barber (米)

by lumiere6 | 2007-04-01 21:02 | 文学、芸術 …

空にみつ …

’Tis a sight to engage me, if anything can,
To muse on the perishing pleasures of man;
Short-lived as we are, our enjoyments, I see,
Have a still shorter date, and die sooner than we.
" The Poplar Field "  William Cowper (最終節)

ときとして 苗床をおおったガラス屋根に
別の空間が、ここではわたしたちに向かって吹いてきた
あの空間のように、反映として現れている。
未来の空間、わたしたちには授からないで、

思い出に与えつづけられる空間が。
わたしたちに授かる一切は なんと拘束されていることか?
オレンジの中味を伝えるものはいない?
輝きのもとで あの宝石を判じるものはいない?

音楽よ、音楽よ、告白するがいい、おまえには
未聞の讃歌を完成することができるのか?
ああ、おまえにも ついには 称えることだけはできるのだ、
・・・・・・
Rainer Maria Rilke (オーストリア 1875 - 1926)  リルケ
『C.W伯の遺稿より 』 Ⅱ11  塚越敏 訳  国文社
by lumiere6 | 2007-03-29 01:41 | 文学、芸術 …