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「もっと身近に 環境科学 1」   北大祭 2008

【研究者や大学院生による環境サイエンストーク】 
6/7 (土) 地球環境科学研究院 会議室にて、(講演20分・質疑応答15分程度)
 三人目の方から参加、所属の詳細は略、以下メモの一部です。
 
ボルネオ島にテングザルを追う  松田一希 氏
ボルネオのスカウ村に、2005.1~2006.6 生活、食物は鯰や手長海老、投げ網
貯めた雨水は貴重なのでシャワーに使わない。村にTVがあり色々な情報を得ている。
調査補助員に対してきちんと契約書を作る。給与明細を出したり、トラブルを避ける。
テングザルの生態、ボルネオ全島の生息数は研究されていない。マングローブ林や
泥炭湿地の川辺の林に、雄1 雌2 未成年個体8のハーレム型の群れをなす。
マレーシアのサバ州 5000頭、オラウータンは同州に1万頭いる。(2006)

調査の難しさ ・・ 川沿いの木の上で眠る(捕食、天敵のヒョウを避ける?) 研究者が
ぬかるみに入るのが難しい。具体的には、対象群(ハーレム)を見つける → 同定
→ ひたすら追いかける。見分け(雄はひげの形、雌はしっぽだが難しい。)
好きな植物・・ トウダイグサ科の果実、アカネ科、ニシキギ科の種+シロアリの巣
若葉66%、果実26%、花8%、(197種の植物)、遊動図・・ 遊動域は138 ha、
平均 800m/日。 油椰子プランテーションの拡大で生息地が減少。

エコツァーは本当にエコか疑問に思ってほしい。 エコツアーに使われるボート、
ロッジ、食物はどこから来るか。テングザルの研究を熱帯雨林の保全に役立てられ
ないか。ツーリストと違う村の生態を知った。村の人にはアシスタントを通して 
環境に意識を持ってもらいたいと思う。
 Q : 生態(食べ物関係)と植生について。シロアリの巣はミネラル分を補うため?

モンゴル平原でみる地球環境の変化  小野寺有 氏
世界で一番人口密度が低い。人口の4割が遊牧民。
日本の中古車が元の外装で走行。主要な家畜は羊とヤギが多く、馬、ラクダ
1996年からカシミア需要で急速にヤギが増加。根こそぎ草を食べ、土地が劣化
遊牧民への聞き取り調査。質問 :気候変動について、85% 砂漠化、乾燥化の答え
雨や草・森林の減少、砂の増加の答え。データも降水量の減少

ヤギの影響が関係あるという放牧民と全遊牧民とのヤギの所有頭数を比較分析
市場と遊牧民 ・・ 地方より首都ウランバートルの市場のほうが高く売れる。
乾燥地域という脆弱な気候の国なので、気候変化の影響を受けやすい。
持続可能な遊牧生活とは。土地私有化の話があるが難しい。自分の土地なら
大事にするのでは。

低炭素社会の実現をめざして  安本哲郎 氏
北海道大学バイオマスプラントの現状と提案。昨年、省エネ・自然エネルギー班
バイオマス → バイオガスプラント → バイオガス (燃料) とスラリー (肥料)
調査対象:循環バスの燃料の消費量 30㎡ 、故障が発生しメタンガスの発生量が
変動し、非効率的な生産。加水によりスラリーの量が増大(初年度 4.5倍)
故障が多く、堆肥にしたほうが手間がかからない。

北大農学部の松田教授への聞き取り : 飼育牛が少なく、発生するガスが少ない。
プラントに電話 : 初期投資とメンテナンスが高い。メモの不備で数字を割愛。
現在の熱利用と改善案、必要なコスト、効率が相当高くなければバスの燃料は無理
 Q:独製の機械を使用、国産を使っても故障するのか。乾式バイオマス導入なら? 

人の健康を守る化学  坂本啓典 氏
地下水における硝酸イオン (NO3-) について。胃の中で亜硝酸イオン (NO2-) に
変り、乳幼児や胃酸の出の悪い人は高い確率でチアノーゼが表れる。
50ppm/ℓ 以下なら安心 (EUの基準値)。 地下水の汚染状況の地図。北海道は
道東が高く、山形県の庄内 ほか、世界の農業地域ではインドが極めて高い数字。

地下水の汚染源は過剰な肥料、屎尿の散乱。河川水は法令上、処理して排水。
水資源と使用量、飲料水を含む生活用水 165億㎥/年 (河川水 127 億㎥/年
地下水 38 〃)、農業用 589 〃、 工業用 138億㎥/年 (統計年度を書きもれ)

考えられている技術
濃厚な二次廃水に ・・ イオン交換法、逆浸透法 (押すエネルギーが必要))
生物処理法 (遅い。餌や温度管理が遅い 必要)、触媒法 ※メモの再現が難しくカット
パラジウムクラスター処理法 (生物処理法の12倍の速さで処理、設備も縮小化)
以上は、硝酸イオンのみが含有としてお話ししてきたが、実際の地下水では触媒
性能が悪化していることが今後の課題。(ペットボトル水についてもお話された。6/18) 
→ 北大環境科学院 神谷裕一研究室 (環境物質科学専攻 ナノ環境材料コース)
 http://www.ees.hokudai.ac.jp/ems/stuff/okuhara/ 
  
【筆者検索】
平成19年版日本の水資源について  ~ 安全で安心な水利用に向けて ~
国土交通省 土地・水資源局水資源部  平成19年8月
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/H19/index.html

国土交通省ホーム >> 政策・仕事 >> 土地・水資源 >> 水資源トップ
国土交通省 土地・水資源局水資源部 > 日本の水資源の現状・課題

農林水産省 >> 農村振興 >> くらしと農業用水 >>日本の農業用水の利用状況
http://www.maff.go.jp/nouson/top/rikai/nougyouyoisui/riyou.htm

06/15 PM  追記・修整・構成変更、2007年のメモは ~ 3 です。 
by lumiere6 | 2008-06-14 22:53 | 北大 セミナー他
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