白鳥は哀しからずや 空の青 海のあをにも染まずただよふ 若山牧水
かつて住んでいた街の海が思いだされた。
純白の羽根を持つ鳥は、堂々と太陽に向かって羽ばたく。
ああ青春の いまがゆく 暮るるに早き 春の日の
宴のもりの はなむしろ 足音もなき ときの舞
与謝野鉄幹 「ひとをこうる歌 5」
第一節は有名な 「妻をめとらば 才たけて みめうるわしく 情けあり」 で始まる。
〔情けあり〕 は女性に求めたい美徳。 ひと月近く心を去らない、或る問題を
考えて歩いていたら、くちずさんでいた。
情愛、哀惜の情、憐憫の情、惻隠 (あわれみいたむ*) の情
緑なす五月の木立の中で、かずならぬ鳥が羽根を休める。
*小学館 『新選 漢和辞典』 鉄幹の詩は 4行を2行で表示しています。
投稿直後、或る問題と文言変更