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「淀の河辺 」  その後

ある本に紹介されていた伊東静雄の詩、 「淀の河辺」 を17日、引用しました。
五行目の点線は、作者によるもの (原文のまま) と思っていましたが、
調べたところ、第二節がありました。
 
「淀の河辺 」  その後_c0087710_0154022.jpg
  こことかの   ふたつの岸の
  高草に     風は立てれど
  川波の     しろきもあらず
  かがよへる   雲のすがたを
  水深く     ひたす流は
  ただ默し*   疾く逝きにしか *もだし

なぜ、この部分が伏せられていたのか
わかりません。第一節と第三節には、
きみとわれが詠われています。私は
第二節で河辺が擬人化されている
ように思います。時の移り変わりを
映す流れの水底に、言葉や声のない
心の底の哀しみが重なって見えます。
 
by lumiere6 | 2007-07-21 23:56 | mémoire
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