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地球の未来を考える シリーズ 第2回

森のムダづかいを考える」  8/18 (水) 17:30-19:00
講師 : 高橋邦秀氏(北大名誉教授)  於 : 北大学術交流会館
主催 : もったいない学会 北海道支部       
後援 : 北大サスティナビリティ・ガバナンス・プロジェクト (SGP)
司会 : 福田正己教授 (北大低温研)
memo (抜粋に小見出しをつけ、都合により数字のメモは殆ど割愛)

世界の森林消失 (途中から拝聴)
アフリカ、インドネシアでは森林火災の影響が大きい。
衛星画像による伐採跡地の20年間の変化。シベリアの森林火災の映像
発生後24時間を過ぎると、人為的消火が難しく自然に任せるしかない。

火災の原因は人間の不始末。シベリアはカラマツ中心で天然更新する。
生態学的に考えると森林の後継ぎを育てるには(火災は)必要。少なくとも
100年間隔だと健全な状態で持続されるとわかる。数年おきだと持続不可能

人間の関与の仕方
カリマンタンでは湿地を排水、農地化して移住させようと裸地化して火災
北海道の森林火災は、明治44年(1911年)523件、287千町歩焼失
海岸地帯ではニシンの油を採るために木が伐採された。

森林火災は森の無駄使いであるが、自然の移り変わりにおいては
灰などが有効、繰り返しのメカニズムに火災が使われることになる。

わが国の木材利用量の変遷
9000万㎥ のうち国内材1700万㎥。2005年は8742㎥ で輸入減により
自給率は20%にUP。北海道は350㎥、我国の伐採量の約20% 
もう少し国内材を利用すべき。木材自由化以降、安い外国産が輸入される
外材は輸送コストがかかる。中国の利用増でロシアからの輸入が激減
日本の木材利用8割は輸入材、ドイツは燃材の動きが強い

木材の伐採と課題
北海道では、苗畑で5年、造林地で7年前後手間をかけ人工林を作る。
カンバ類の更新を期待するレーキドーザによる地表処理(北大雨竜演習林)
北海道の森林は根が浅く、九州に比べ強風に耐えない。
カナダとアラスカでコキクイムシが問題。 伐採の入って弱った赤エゾマツ、
大雪天然林周辺の虫害を心配。ここ数年が勝負。

北海道の伐採作業では「土場」が必須 → 林道整備、長材運搬の可否
独の山地林では状況により土場を作らず、伐採箇所に近い林道沿いに丸太整理
日本の森林の問題点・・・優秀なオペレータ、林業機械の効率的利用・健全維持の
ために、積極的に間伐が必要。北海道の利用は成長量の3分の1位。
切りすて間伐、林地残材など20%がゴミになっている。原油換算で2万6千kl

紙と森は表裏一体。 古紙回収ではダンボールの比率が高い。
北海道の製紙工場は径20㎝が多く、40㎝とか大きいものがない。
森林の利用の仕方を考えて行かねば。森林は適材適地が大事
道民1人当りの年間CO2排出は4,5年生のトドマツ1本分。
FF式ペレットストーブを開発し今後発売予定。岩手県が先進

会場からの質問等に
ドイツの森林保全では、山地の災害防止に自然素材を使う。コンクリートは
森林にストレス。北海道は本来クロエゾマツだが天然更新しにくい。
1950年代に較べ資源量が半減。石狩にミズナラ、センノキ、ヤチダモの広葉樹
キノコや小さな虫が外敵、森をもっと賢く使う必要がある。
(木質バイオマスは)小規模分散型に適している。できるだけ地元で使うこと。
ペレットストーブを利用する家を断熱構造にすることに道が補助を考えてほしい

第3回目は9月中旬頃、北海道のネックになる交通網についてJRに交渉中
by lumiere6 | 2007-07-19 23:58 | 北大 SGP関連
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