うつりけむ昔の影や残るとて
見るに思いのます鏡かな
昔見し 月の光をしるべにて
今宵や君が西へゆくらん
消えかへり 岩間に迷ふ水の泡の
しばし宿借る薄氷かな
新古今和歌集
『 われわれは、お互いの邂逅の思い出まで喪ってしまっているだろう。 とはいえ
われわれは、お互いをへだてるためにも、ふたたび結びつけるためにも、
再度出会うことだろう。亡き人々が結ばれ合うのは、生ける人々の唇の上である。
(サミュエル・バトラー)』
出典 : 『
瞬間の直観』 ガストン・バシュラール L'INTUITION DE L'INSTANT